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2015-01-24 14:38    ルイヴィトン iphoneケース
 壁には切れかかった蛍光灯がちかちか瞬いていて、その下に赤いペンキで「トイレこちら」という文字。  入ってみると、二つある個室の奥の方はベニヤ板とブルーのシートで塞《ふさ》がれ、ロープには立ち入り禁止の札がかかっている。  まあひとつあればそれでいい。  用を足し、あらためて廊下を見るとトイレ以外にもいくつかドアが並んでいる。  一戸建ての玄関のようなものがある。  表には小さな門と郵便受けとインターホン、そして玄関までには植込みと小さな池と石|灯籠《どうろう》まである。玄関の引き戸の磨《す》りガラス越しにちらちら揺れている青い光はテレビの画面だろうか。かすかに音も聞こえてくる。その隣には潜水艦の内部のような丸いハンドルのついた金属の扉。そして、その隣には大きな暖簾《のれん》のかかった入口らしきものがある。  いろんな人がいろんな形態で暮らしているようだ。  店に戻ろうとして、その手前の分岐に気がついた。覗《のぞ》いてみると細い通路の向こうに大きなガラス戸があって、水路と夜空が見えている。その下にある柵《さく》のようなものは手すりだろうか。どうやらそこからさっき言っていたベランダに出ることができるらしい。  二百メートルのベランダとか言っていたやつ。せっかくだから見ていくか。  細い通路を進んでガラス戸の前まできた。廊下が暗いから外がよく見える。なるほど左右にどこまでもベランダと手すりが続いている。  出ようとしてガラス戸に手をかけたが、隙間に砂でも詰まっているのか開かない。  仕方がないのでガラスに顔を近づけるようにして外を覗いた。  雨が降り始めていた。  水路の上に橙色《だいだいいろ》の丸い光が浮かんでいる。航行している船の窓から漏れる光らしい。  船体そのものは見えない。ただ、その円形の窓だけが水の上の闇に浮かんでいる。  それはゆっくりと近づいてきていた。円形の窓が等間隔で並んでいる。  それが満月ほどの大きさになると、そのなかにひとつずつ顔があるのがわかった。若い顔も年老いた顔も子供の顔もあるが、皆なぜか表情がない。ただ、こちらをじっと見つめているだけ。  向こうに私の顔は見えているのだろうか。