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製品の得点

  • 4.1
    製品評価
  • +
  • +
  • +
  • アマゾン 5.0分
    宝の街に 5.0分
製品の得点参考社以上の専門サイトと干し宝街の売上データ統計成約

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  • て源のは宝の街に
    null 札幌駅から下り列車に乗り、北に向かって十分ほど走ると厚別(あつべつ)駅に着く。そこを発車してしばらくすると、右手に広がる原始林の丘に開拓百年の記念塔が見える。塔は少しずつ伸びて完成に近づいていた。  「百年記念だから、百メートルまで伸びるそうだ。赤錆びた渋い鉄塔は開道百年にふさわしいね」  乗客たちが窓から身を乗り出して眺めた。塔の右手の林の中に煉瓦造りの記念館も造られていた。  孝二は大麻駅で列車を降りると、国道を札幌の方に引き返して記念塔に向かった。だらだら坂を下だった処から左に折れて原始林に踏みこんだ。道は上り坂になっていて、それがどこまでも続いている。原始林は楢、柏、紅葉、白樺などが鬱蒼(うつそう)と繁っていた。しかし、登りつめた丘の上は樹が伐り払われ平らに整地されて、新しい芝生が敷きつめられていた。その中央に、にょっきり建った記念塔は一本の巨大な大樹が根を張ったように広がっている。その根は直径三十メートルもあろうか、厚さ一センチもある赤錆びた鉄板が大地に爪を立てた化け物のように見える。  「これだからな」  孝二は塔を見上げて溜息をついた。天地を動かす台風にもびくともしない姿だった。  「塔が自然を圧倒している」と思った。  「ここに和人たちの傲慢がある」と、彼は呻くように呟やく。開拓当時は、公園の隅にささやかな記念碑を建てた。それが百年経って、山の樹を伐り丘を削って塔を建てた。おそらく二百年記念には、山を崩し、川を塞(せ)き止めて、もっと巨大な建造物を造るだろうと思った。  孝二は丘の上に腰を下ろして、対岸の手稲山を眺めた。山と山との間に広がる札幌の街は白く煙っていた。その中を断ち裂くように豊平川が流れている。百年前、この辺りには鹿や熊が群れていた。アイヌたちは村田銃を持って追いかけた。  明治八年、札幌の琴似(ことに)に初めて屯田兵が入殖してきたころ、金毛の大熊が頻々(ひんぴん)と出没して人家を襲った。一家七人、ひとり残らず荒熊に食い殺されたこともあった。  「助けてくれっ!」  和人が泡を食って、アイヌの家に駈け込んできた。  「よしきた」  村田銃を持ったアイヌたちは、山野を駈け回って人喰い熊を射留めた。彼らは親切に、寒さの凌(しの)ぎ方や動物や植物の食べ方を教えた。しかし、アイヌは和人にとって道案内人か用心棒でしかなかった。開拓とは縁のない狩猟民族の宿命だった。  孝二は立ち上がって、煉瓦造りの開拓記念館の方に行ってみた。森の中に建設された堅牢な建物だった。ヘルメットを被った作業員たちが、最後の仕上げに精を出していた。  記念館は、傲慢な和人を象徴する記念塔より、もっと豪華で絢爛(けんらん)とした建物だった。孝二は自信に満ちた和人たちの、ふてぶてしい姿を改めて見たような気がした。  「先生!」  教え子の武田がヘルメットを脱いで挨拶した。彼は建築会社で働いていた。
    2015-02-05 18:58
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